信楽焼の湯呑みで、朝のお茶の時間を整える
手仕事の器が、日常の小さな儀式を変える理由

毎朝のお茶の時間は、一日の中で最も静かな時間の一つです。その時間に使う器が変わると、同じお茶でも飲み方が少し変わります。信楽焼の手仕事の湯呑みを使い始めて気づいたことを、記録しておきます。
信楽焼の土の特徴
信楽焼は、滋賀県甲賀市信楽町を産地とする焼き物です。この地域の土は粒子が粗く、焼き上がりの表面に自然な凹凸が出ます。手に持ったときのざらりとした感触が、信楽焼の特徴の一つです。
型を使わず手で成形する場合、同じ職人が作っても、一点ずつ形が微妙に違います。重さも、口の広さも、底の厚みも。その違いが、使い続けるうちに「自分の器」という感覚を生みます。
釉薬の色と秋の関係
今秋のコレクションに加えた湯呑みは、柿色と深緑の釉薬を組み合わせています。柿色は、秋の実の色から来ています。深緑は、落葉の前の葉の色です。光の当たり方によって、どちらの色が前に出るかが変わります。
釉薬の色は、焼成の温度と時間によって変わります。同じ配合でも、窯の中の位置によって仕上がりが違います。職人の方に聞いたところ、「同じものを作ろうとしても、できない」とのことでした。
朝のお茶の時間の整え方
湯呑みを変えることで、お茶を飲む前に器を手に取る時間が生まれます。重さを確かめ、表面の凹凸を指で感じる。その数秒が、一日の始まりに静かな注意を向ける実践になります。
お茶の種類は何でも構いません。緑茶でも、ほうじ茶でも、白湯でも。大切なのは、飲み物ではなく、その時間に注意を向けることです。スマートフォンを手に持たずに、ただ飲む。それだけで、朝の時間の質が変わります。
信楽焼の湯呑みは、今季のコレクションでご覧いただけます。一点ずつ手で成形しているため、在庫に限りがあります。